フィリピンからの道のり
◆タガログ語と英語
フィリピンパブでフィリピーナ同士が話しているのを聞いていると、英語ではなくタガログ語で会話していますね。タガログ語はフィリピンの公用語で首都のマニラ圏を含むルソン島南部を中心に用いられている言語なんです。その発音は日本語に近くて文字はアルファベット、殆どの発音そのままを文字に当てはめることができますから、実は日本人にとっても覚えやすくて親しみやすい言語なんです。また、フィリピンでは英語も公用語となっていて多くのフィリピン人が両方の言語が話せます。ですからタレントをはじめとした多くの海外労働者が気軽に国外へ出稼ぎに行くことができるのですね。
◆タレント誕生
日本のフィリピンパブで働く多くの女の子達は、 興行ビザを持ったれっきとしたタレントさんなのです。そうしたタレントになるためには、まずはダンスや歌、マジックなどの能力が必要で、さらにレッスンに通って自分を磨き、プロモーターに所属してARBという芸能活動証明書を取得後、タレントとしてのオーディションを受けることができます。晴れてオーディションに合格することができたら、やっと日本側プロモーター斡旋の受入店からの推薦状を添えて日本大使館で興行ビザの申請をします。
その後、レッスンを続けながらビザのおりるのを待ち、無事にビザがおりたら来日してタレントとしての活動を開始します。タレントとしてのビザは3ヶ月ですが、エクステンションと呼ばれる滞在延長で、入国管理局で手続きすればあと3ヶ月居られるので合計6ヶ月が彼女達の日本滞在期間です。その後帰国して再度オーディションを受けて合格すると、再来日も可能となりますから、何度も来日を繰り返すタレントさんも多くいます。そのため、初めて来日したタレント達のことをファーストタイマーと呼んで区別しているのです。
◆タレント以外のオネーサマ
また、一部ですがタレントではなくホステスとしてお店に在籍しているフィリピーナもいます。これは興行ビザで日本に在留しているのではなく、日本人と結婚しているか過去に結婚していて「日本人の配偶者等」という資格で在留し、お店でアルバイトしているオネーサマ方ですね。この人たちにはダンナさんがいることが多く、後が面倒なので恋愛の対象にはしないでおきましょうね。余談ですが、この資格があると、別にフィリピンパブに限らず日本人と同様に日本での仕事の制限はありません。
◆フィリピン娘達の稼ぎ
お店の条件やタレントの持つ能力によって様々ですが、一般的には1回6ヶ月の契約で約50万円から100万円の間です。ファーストタイマーは少なめですが、その後の来日回数が増えるごとに契約金も増えてきます。それでも、あれ意外と少ないのだなと思われるでしょうが、これでもフィリピンの平均賃金からするとかなりな金額なのです。男性の平均賃金が月に約6千ペソ(1万5千円くらい)といわれていますから、彼女達の収入はその6倍から12倍も稼ぐことになります。ここからプロモーターへの手数料が差し引かれますが、それでもたいした金額なのです。
そうした契約の賃金以外にも、同伴や指名料、ドリンクなどのバックといったお店から日払いや週払い、月払いで受け取る報奨金があります。彼女達は通常はこの報奨金で日々の生活を営んでいるようです。契約金は月ごとに支払われる店もありますし、散在してしまわないように帰国時の空港で一括して支払われる場合もあり、このお金は国にいる家族に仕送りしたり帰国後の大きな買物に充てている女の子が殆どです。